看護師として医療の現場に在籍する人たちの中には、治験コーディネーターとしての業務をこなしている方もいる。この治験コーディネーターは文字通り治験、つまり一般には処方されていない臨床試験薬を取り扱う職業だ。そのため治験コーディネーターには投与した薬剤の効果をきちんと見極める冷静さと、それらのデータをコンピューターに記録する最低限のPCスキルが必要となる。また医師や被験者と円滑な会話をするための、コミュニケーション能力も必要だ。臨床段階にある薬剤は、使用や保存などが法律によって厳重に取り決められている。そのため治験コーディネーターとして働く場合には、それらの薬事法を覚え、きちんと理解しておく必要がある。

また文章で書かれている治験のデータをより見やすく、一目で理解できるようにするために、表やグラフで描くこともある。これらはエクセルやパワーポイントなどのPCソフトを使用して作成するため、治験コーディネーターにはそれらのスキルも求められるのだ。薬事法の理解やPC操作スキルなど、治験コーディネーターには様々なスキルが求められるが、それらの中で特に大事なのが誠実さや明るさなど性格的な側面だ。治験をおこなう場合、予期せぬ副作用などの可能性が常に付きまとっているため、必然的に被験者や医師の心には不安感が芽生えることもある。それらの不安感や恐怖感を少しでも和らげて、リラックスした状態で臨床試験に臨んでもらうため、治験コーディネーターには真面目で元気な振る舞いを心掛けなければいけない。